行政の将来を考える会

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第40回例会「NPOが担う社会福祉の将来−日本は超高齢社会をどのように迎えるか」
(講師:NPO法人・NPO事業サポートセンター理事、社団法人・長寿社会文化協会事務局次長 水谷正夫氏)
2000年3月29日、行政の将来を考える若手の会第40回例会が開かれました。今回の例会では、『NPOが担う社会福祉の将来−日本は超高齢社会をどのように迎えるか』をテーマに、NPO法人・NPO事業サポートセンター理事、社団法人・長寿社会文化協会事務局次長の水谷正夫氏を講師としてお招きし、23名(講師を含む)が出席して意見交換を行ったところ、主要点は次の通りです。

1.NPOが担う社会福祉の将来(水谷氏)
(NPO事業サポートセンター http://www.jtuc-rengo.or.jp/npo/ )
(長寿社会文化協会 http://www.wac.or.jp/ )

(1)NPOの定義
 NPO(ノン・プロフィット・オルガニゼーション)、市民活動団体、ボランティアなど、さまざまな呼び方があるが、言葉の定義をはっきりさせた上でお話ししたい。

(イ)NPO・NGOとボランティアの違い
 ボランティアは各個人、NPO・NGOは組織を指す。NPO・NGOは、単なるボランティアの集まりではなく、組織として目的を持ったものである。

(ロ)NPOとNGOの違い
(a)概念的にはNGOはNPOに含まれる。しかし、NGOの方が歴史があり、認知されているので、NGOの中には、NPOでなくNGOと呼んでほしいというところもある。また、NPO法が出来た結果、NPO法人として認証された約2000団体のみをNPOと呼ぶ場合もある。
(b)自分としては、市民が自発的にノンプロフィットで活動を行う団体をNPOと呼び、国際貢献、国際交流を行う団体をNGOと呼びたい。
(c)NPOは、法律上、「特定非営利活動法人」という。「特定」とは12分野があり、医療福祉、環境保全、町おこし等が掲げられている。今回はその中で、高齢者介護を中心とする福祉系NPOの話をしたい。

(2)市民活動の現状

(イ)調査概要
 昨年NPO事業サポートセンターが広義のNPO(NPO法人として認定されていないものを含む)を対象に実施した調査をご紹介したい。回答があったNPO257団体の中では福祉系NPOが173であった。通常福祉系NPOは全体の40%といわれているので、この調査では福祉系NPOの現状がより強く反映されている。

(ロ)活動時期
 土日もなく活動している団体が半数近くを占めており、福祉系NPOでは45.1%である。

(ハ)年間の事業予算規模
 1000−5000万円規模が一番多い(30.4%)。その次が、100−500万円(27.6%)、500−1000万円規模(26.5%)と続いている。

(ニ)有給常勤職員数・月額
 1−2人が約6割を占めているものの、給料の標準月額は10万円未満で、適切な給料を払える状況になっていない。これで人の命を預かる仕事をしているのが現状である。(ホ)その他  福祉系NPOの場合は、大部分は女性が中核となっており、高齢者や障害者のケアが中心である。

(3)要介護老人

(イ)要介護老人は、現時点では280万人いるが、2010年には390万人に激増する(厚生省推計データ)。

(ロ)絶対数で言われてもなかなか実感としてわからないが、平成9年に首都圏在住の40−50歳代の主婦500名にアンケート調査したところ、「生活の一部、あるいは大部分で介護が必要な親がいる」のが17.9%、「自分せ生活はできるが心身に障害があったり病気がちの親がいる」のが30.1%である。したがって、40−50歳代の世帯の半分が、何らかの意味で介護をすることが必要となっている。自分もその世代に属しているが、友人と会うと必ず親の介護の話になる。

(4)介護保険サービスのうちNPOは何が出来るか

(イ)NPOができないのは、訪問リハビリ、通所リハビリ、居宅療養管理指導など医療系統のみであり、それ以外の訪問介護、訪問入浴、通所介護、短期入所生活介護等は行える。また、看護婦を雇えば訪問看護もできる。従って、NPOという法人格を取得すれば、介護保険法の下で随分いろいろなことができる。

(ロ)ただし、NPO法人格を取得した上で、指定業者(介護保険の支払いが受けられる業者)として認可される必要がある。指定業者10152団体中、NPO法人は50団体のみである。訪問介護を行うものが大部分(35団体)であり、その次が通所介護を行うもの(6団体)である。ただし、これら50のNPO法人だけが介護を行っているわけではなく、指定されていないものを含め、高齢者介護系NPOは1000−1200程度存在する。

(5)市民互助団体の介護保険制度への取り組み

(イ)本年1月に全国の福祉系NPOを対象に行った調査では、414団体のうち、介護保険の指定業者として認可済み・申請中・申請予定のものは合わせて33%あり、それに対して申請を予定していないものは45%ある。

(ロ)指定業者として申請する理由は、利用者にとって多様な選択肢が必要だから、利用者の権利を守るため、等がある。やはり責任感の強い団体は、介護する老人に頼まれれば断れず、指定業者となるということであろう。他方、申請しない理由としては、団体の理念と違う、介護保険の枠外サービスの方が重要だから(例えば介護にならないようにするサービスなど)、小規模活動のため等を挙げている。

(ハ)市民互助はローカルな活動をしており、全体でまとまることはない。そのため、今新たに介護保険関連の福祉系NPOのネットワーク作りを始めている。

(6)3つのセクターの関係とコラボレーション

(イ)今までは行政・企業の両輪で社会を作ってきた。その中で、NPOの位置付けは、次の通りであると考える。(a)行政は公平均一サービスを担う。 (b)企業は市場原理サービスを担う。(c)NPOは、市場では成立しにくい社会サービスを市民の発意と力によって民間で提供する。また、行政では困難な個別の要望にあった社会サービスを低額で提供する。

(ロ)行政とNPOのコラボレーション
(a)法整備(特に税制優遇)による基盤作り、各種助成制度のNPOへの適用、NPOに対する規制緩和を通じて、行政事業のNPOへの移行を進展させるべきである。
(b)各種助成制度は従来NPOは対象外だったが、最近次々とOKになっている。NPO関連予算も関係省庁で次々とられるようになってきている。しかし、NPOは活動は横割りであり、福祉、高齢者介護、生活サービスなど全生活領域とかかわっているので、幅広い対応が必要である。例えば、介護労働力の問題は労働省に関わる他、介護の絶対数が足りず、国内の労働力では不足するので海外の労働力が必要となれば、労働省だけでは対応できない。実際、現場では外国人労働力を正式に入れていかないと到底対応できないという状況にある。

(ハ)企業とNPOのコラボレーション
(a)企業の遊休資源(人、物、不動産、情報)の活用、介護サービスの分業化を通じて、地域社会における福祉サービスを向上させるべきである。
(b)企業の持っているポテンシャルには様々なものがあるので、その資源をうまく活用できればかなり活動を拡大できるNPOが多数あると思う。

(ニ)NPOは往々にして反権力、反企業の人が主導でやってきている。また、NPOは地域密着型で企業とは縁が遠いほか、市場において企業と対立する関係にある。しかし、介護は、この行政、企業、NPOの3者が協力してやっていかなければ成り立っていかない。3者の特徴、役割と存在理由はそれぞれ明確にある。それを活かすためには、行政とNPOの協力、企業とNPOの協力が必要である。対決や一方的な指導では、最終的な利用者、高齢者、障害者にとって非常に不幸な状況になる。NPO法ができても生かせなければ意味がない。

2.質疑応答

(1)(質問)福祉系NPOは450あるといったが、都市部、ベッドタウン、農村部など地域的な偏りはあるか。

(水谷氏)NPOは、福祉系に限らず都市部に多い。東京都がダントツであり、阪神、中京にも多い。他方で、NPOが数個しかない県もある。まず市民(人口)が多いことが必要であり、かつ市民活動に対する意識が高くなければならない。

(2)(質問)地域活動に本当に熱心なのは農村ではないかと思うが、都市部でNPOが多いのはなぜか。農村部の地域活動はNPOに育っていかないのか。

(水谷氏)(イ)農村には農協があり、また都市に比べれば地域の助け合いが強い。その上、農村ではNPOという概念自体が普及していない。首都圏ですら、50代のビジネスマンの30%はNPOを聞いたことがないのが現状であり、農村では更に知られていない。
(ロ)他方で、都市では主婦のパワーが強い。また、最近介護問題について急激に男性の関心が高まっている。ホームヘルパーのセミナーには、以前は女性しかこなかったが、最近は男性の方が多い場合もある。自分自身の問題としての危機感が強くなってきており、それが市民活動団体への関わりを増やしていこうという動きになっている。

(3)(質問)介護を担う人の数がともかく足りないというお話があったが、50−60歳代の男性がホームヘルパーを希望しており、またリストラで仕事にあぶれている人も増えている中で、これらの人の活用はできないのか。

(水谷氏)最近は情報化よりも医療福祉が将来性があるということで、関心も高まっているが、それらの関心を持つ方々が本当にホームヘルパーになろうと思っているかは疑問である。特に、50代のリストラ企業戦士から見れば、福祉は縁遠い世界である。退職後に福祉を勉強したいという人はいるが、自らの問題としてであり、本格的な介護労働力とはいえない。いずれにせよ、絶対数としては微々たるものである。

(4)(質問)行政、企業、NPOの3つのセクターのうち、企業とNPOの関係についての質問だが、「市場では成立しにくい社会サービス」とは具体的には何か。

(水谷氏)企業から見ればもうからない仕事である。例えば、過疎地では企業が進出しても採算があわないことがある。また、サービスの中身についても、値段の低い、あるいは保険外のサービスについてはやりたくないといった市場原理が働く部分について、NPOがやるということである。

(5)(質問)NPOの事業資金の財源は何か。

(水谷氏)(イ)NPOは、年間事業予算が1000万円に届かないものが大部分であり、その事業も、行政からの委託事業が大部分である。一部の対価は利用者からも1時間800円から1000円程度もらっているが、このうちNPOに入るのは100円程度に過ぎない。寄付もあるが、額は極めて少ない。また、ボランティア自身が会費を出すこともある。それらを財源にして、事業所の借り上げなど最低限の経費を賄っている。
(ロ)職員の給料は最低賃金法違反であるが、そもそも行政の委託事業の経費算定方法は、十分な人件費を想定していない場合が多い。NPOの専任職員は、自分の想いの実現のためにやっている。主力は主婦であり、主婦はご主人がいるのが普通である。ただし、月10万円から15万円で子供を育てながらご主人に頼らずやっている人がいる。これを支えているのは、ものすごい情熱である。福祉の現場でやっているのはとても生き生きしており、日本の国民でないようにも思う。
(ハ)今回の介護保険制度では、立ちあがりの3か月間はお金が支払われないため、NPOはそれを立てかえる必要があるが財源がないので、深刻な問題になっている。

(6)(質問)指定業者となり得る各種の法人の違いは何か。

(参加者)(イ)指定業者には、社会福祉法人、医療法人、公益法人などがなれるが、そのうち、社会福祉法人は、「社協」と「社協」以外の法人に分けられる。社会福祉法人の「社協」は、独立した法人格を持っているが、市役所や町役場に同居している場合も多く、行政からの委託事業費を受け入れるなど行政と密着した活動をしている。純粋に民間の社会福祉法人ではなく、行政と1対1で対応している社会福祉法人であるといえよう。老人ホームや養護施設などを運営する「社協」でない普通の社会福祉法人もある。これが「社協」以外の社会福祉法人である。
(ロ)医療法人や社会福祉法人も広い意味では民法上の公益法人の一類型だが、特別の機能があることから民法から独立した法人制度がつくられた。それらには入らない一般的な公益法人として社団法人、財団法人がある。

(7)(意見)(イ)これまで自分は留学カウンセリング、個人のキャリアチェンジ・キャリアアップのサポートをやってきたが、位置付けとしてはボランティアであったことがわかった。今回これを有限会社にするため随分苦労したが、話を伺って、NPOにすればはるかに簡単だった気がする。
(ロ)これからは、個人ではなく台東区のプロデュースをやりたいと思っている。高齢化しているので小学校を老人ホームにしようとしている。小学校の建物のつくりは、段差が少なくバリアフリーで老人ホーム向きである。台東区は家賃が高いので独身者も住めず、高齢者の医療費が高くなって病院も不足している。しかし、子どもたちと高齢者のコミュニケーションの場を作り、元気な高齢者、一人暮しのおじいちゃん、おばあちゃんが体を動かす動機を作りたい。また、整体やカイロプラティックも保険が使えるようになり、病院でなく整体で体を直せるようにすることが有効と思う。沖縄でも同じことをやりたいと思っているが、自らリーダーになろうとする人はいない。

(8)(質問)広義のNPOのうち、NPO法人の認可を受けるのは3割強にとどまるとのことであるが、アムネスティもNPOの認可を受けることに消極的であるなど、NPOには反政府的なものもあり、そのため認可を受けるのに消極的になっているのではないか。

(参加者)(イ)NPO法とNPOの現状につき概要を説明したい。まず、NPO法は政府提出法ではなく議員立法であることをご留意いただきたい。次に、NPOは、経済企画庁の調査によると、約8万6千団体あり、そのうち約1万団体がNPO法人格取得を希望している。また8万6千団体のうち福祉系は4割程度である。3月時点で、NPO法人として申請したものは約2000団体、うち認証を受けたものは約1500団体ある。申請団体の分布は、地域的には、東京が2割強、経済企画庁と大阪と神奈川が、それぞれ1割程度である。
(ロ)NPOの資格要件はほとんどなく極めて簡便な仕組みである。反政府的な団体でも不認証とはならない。不認証となったものは経済企画庁が3団体、東京都で4団体あるだけだ。法輪功は宗教団体なので認証されなかった
(ハ)NPO法人格の取得を希望しない理由にはさまざまなものがある。例えば、オンブズマンの多くやアムネスティなどには、政府の活動を監視しているという立場上、政府に申請をだすことに消極的な意見があると聞いている。また、法人の要件に、宗教活動や政治活動を行わないこと、会員はオープンであること、情報公開が必要といった要件があるため、それに縛られたくないという団体もあろう。また、そもそも法人格取得の必要性を感じていないというところもあろう。いずれにせよ、行政の側が政治的理由によりNPOに対していやがらせをしようということは一切ないはずだし、そのような声も聞いたことがない。

(9)(質問)企業とNPOは相互補完的な場合があるとのお話だが、同じサービスでも利益がある場合とない場合があるとすれば、利益がない場合について落穂拾い的にNPOがやることになり、NPOは十分な利益が得られない結果となる。今後、NPOの努力にも関わらず、4月の介護保険制度開始移行、収支状況は更に悪化するのではないか。企業とNPOが相互に補完し、すべての人が平等なサービスが受けられるのが理想だとは思うが、実際にはどうなると思うか。

(水谷氏)(イ)介護保険制度のもとでは、ケアマネージャーがケアプランを立てるが、ケアマネージャーは必ずどこかの組織(企業等)に属しており、対象を自分の組織へ囲い込む形でケアプランを立てている。本来、ケアプランは個人でも作れることになっているが、実際には技能が必要でありなかなかそのようにはならず、NPOにはなかなか仕事が流れてこない。
(ロ)NPOの中には、自分達のサービスには自身を持っている団体もあるが、民間企業のような大きな組織でないことから太刀打ちできないと思っている団体もある。福祉系NPOの多く、特に指定業者になっていないものは、当面様子を見ようとの立場かもしれない。介護保険制度自体、そもそも試行錯誤の第一段階で、今後変わり得るし、現行の制度に急いで対応する必要もないかもしれない。
(ハ)NPOでも、企業は営利追求であるとして毛嫌いしている情熱一辺倒の人がいるが、自分は企業の出身者なので、餅は餅屋で、例えば食事は企業の協力を得るなど、NPO側からも企業との連携にラブコールをするのが良いと思うし、そのようなNPOもある。企業の側が、NPOは安い労働力の下請けだとの態度をとればNPOの側は反発するが、対等な立場で接すれば応じるところもあろう。NPOは多種多様である。

(10)(質問)経済協力関係のNGOには、オックスファムやオイスカなど、マネッジメントをしっかり行っているところはあるが、福祉系NPOには、情熱を持った個々人を活用して、マネッジメントをしっかり行っているところはないのか。この面で改善するにはどのような方策があるのか。

(水谷氏)「マネッジメントをしっかり行っている」というのが企業並みの水準を念頭においているのであれば、現状は絶望的である。しかし、これまで決算をやったことがない人、複式簿記ということばすら知らない人がたくさんいる中で、決算の数字の作り方を教えて改善する程度のことは行っている。福祉系NPOの中では、ある程度大丈夫かなと思えるのは1割程度であり、その他は外部から助けていかないと組織としては弱い。自分としては、企業の人材をそこにシフトしたいと思っている。

(11)(質問)NPOに対して税制上の優遇措置を講ずることにより、どの程度改善するのか。

(水谷氏)税制の恩恵をうけられるのは、多分に気分的な問題が多い。寄付する側の関わりが変わってくる可能性がある。

(参加者)NPOの経済規模はそもそも極めて小さい。支出額ベースでおおむね1500から2000億円、付加価値ベースで300億円。日本全体の500兆円の経済規模と比較すればごくわずかである。支出についても、年間30万円未満のNPOが5割を超え、年間10万円未満のものが3分の1を占める。一人前のNPOの収入規模を仮に500万円とすれば、そのような規模の経営をするのは10%もない。その収入について、3割は会費収入、1割強は寄付金で、残りは収益事業の上がりと補助金に依っている。このような財政規模と収入構造のNPOに対して、税金をまけてどれほど効果があるかには大きな疑問がある。気分的なものが大きいのではないか。ただし、寄付金に税金がかからなくなるとどっと寄付金がくるのではないかとの幻想があるのも事実である。

(12)(質問)福祉系NPOについて、1団体100人のボランティアが登録されていても、実際に活動しているボランティアは1割にも満たない場合が多いのではないかと思う。そのため、延べ人数が多いものの、ボランティアのパワーが十分に活用できていないことが将来の課題と考えるが如何。

(水谷氏)WAC(ワンダフル・エイジング・クラブ)では、全国で60程度の小グループがあり、そのうち30程度がきちんとした活動をしている。そえぞれ利用者100−200人を抱えているので、ある程度の広がりがある。NPOの規模は、どれだけの利用者がいるかでわかる。実質的に活動できている福祉系NPOは、1000から1200程度と見ている。

(13)(質問)NPO間のネットワーク化は進められているのか。営利組織は利益が出ると配当する以外に事業拡大をしてコストメリットを追求するが、NPOについてはネットワーク化により同様のメリットが得られるのではないか。

(水谷氏)NPO間のネットワークはこれまでは存在しなかった。農協系、生協系などのグループは全国のネットワークがあったが、市民活動はそもそもネットワークを構築している暇がない。ただし、行政に対して要請書を出すときに、ともかく連名にして政治的な圧力を増そうということは従来よりあった。また、一部地域(特に兵庫県)では、1個のNPOでは弱いため、7−8個のNPOが共同で行政に働きかけて仕事を取ってきたというケースが出てきており、NPOの共同事業というのも現れている。今後、更に具体化していこうが、本格的なネットワーク化はこれからだと思う。

(14)(質問)行政がNPOのネットワーク化のためにリソースを提供するということはないのか。

(水谷氏)行政主導のサポートセンターも地方自治体にいろいろあるが、サポートセンター自体の経営をどうするかという問題がある。サポートするだけなので収入源がない。研究助成をいくらやってもたかが知れているので苦しいが、各地のサポートセンターのリーダーが個人的な顔で集めたりしている。

(参加者)(イ)行政とNPOの関わりのあり方については政府部内でも随分議論があったが、その時に出た結論は、基本的には「関わらない」というものである。政府が関わる時には、喩えて言えば、皆が通れる道路を作るといった共通基盤作りの範囲にとどまり、それに面している特定の人の家は建てないという方針である。それ以上のことをするのは、むしろNPOの理念に反すると考えている。行政は関与したいという本能に負けないよう、自己規制をかなりしないと危ない。
(ロ)NPOは、財政規模、人員規模、そして強い気持ちを胸に身の回りの人の面度をみるのが精一杯との現状から見て、情報交換の余裕がない。ネットワーク化をすべく調査研究もしたが理論倒れだと思った。ただし、最近はインターネットいより低コストでネットワーク化が出来るようになったので状況は変わってきたかもしれない。

3.総括(水谷氏)

 最後に、皆さんはNPOや介護に関心を持っているが、ボランティアとして自ら参加されることが重要である。何らかの形でNPOに接して欲しい。福祉系NPOで少し事務の手伝いをしてあげるとか、マーケットの分析をしてあげるとか、行政との交渉をしてあげるとかであれば、皆さんにとって得意分野であろう。ボランティアといえば、現場で掃除をするという発想になるが、そのような仕事ではなく、まさにマネッジメントが求められている。是非どのような接点でも結構なので、自分に連絡してほしい。居住地域のNPOをいくらでもご紹介する。
Posted by gyosei-kanji
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