行政の将来を考える会

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第52回例会「我が国の対中国ODAのあり方について」
(講師:外務省経済協力局・前田未央氏)
7月5日(木)、行政の将来を考える若手の会第52回例会が開かれました。今回の例会では、『我が国の対中国ODAのあり方について』をテーマに、外務省・前田氏をお招きし、約20名(講師を含む)が出席して意見交換を行ったところ、主要点は次の通りです。

A.前田氏・基調講演の要旨(関連資料に基づく。)

1. 対中経済協力の方針と実績
(1) 基本方針
 (イ) 安定・開放された中国は世界の平和と発展に有意義。
 (ロ) 79年以降、日本は積極的に協力。
(2) 対中協力の実績
 (イ) 中国はインドネシアと並ぶ最大の被援助国
 (ロ) 中国にとって日本は最大の援助国
 (ハ) インフラのボトルネック解消等に大きく貢献

2. 対中経済協力を取り巻く状況の変化
(1) 開発課題の変化
 (イ) 沿岸部・内陸部の格差解消
 (ロ) 貧困問題への対応
 (ハ) WTO加盟に向けた制度整備
 (ニ) 地球規模の課題への対応等
(2) 我が国の国内状況
 (イ) 厳しさの増す経済・財政状況
 (ロ) ODA大綱原則等との関係:中国の高い軍事費の伸び等

3. 対中経済協力のあり方に関する検討
(1) 国別援助計画の策定
(2) 自民党経済協力評価小委員会提言
(3) ロングリストの策定
(なお、各種資料、提言等の詳細については、外務省ホームページODA関連項目をご参照ください。 アドレス:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html)

B.主な質疑応答の要旨

Q. 案件実施のプロセス如何?チェック、モニタリング機能如何?
A. 基本的には「要請主義」による。なお、一括払いではなく、個別項目ごとにチェックし事業の進捗に応じて実際の資金額が渡っていく。

Q プロジェクトの評価方法如何?
A. 数値で計測できる分野は比較的明瞭だが、政治的インプリケーションのアセスメント手法については、現在のところ、開発されておらず、なかなか明瞭にすることには困難が伴うことは否定できない。なお、中国は中央政府の力が強く、地方の声や草の根の声は反映されにくいところもある。経済協力の効果等については後々までのフォローアップをきちんとやっていくことが肝要。

Q. ODAは国益を中長期的に実現していくためのツールの一つ。日本の外交目的を達成するためにどう活用していくか、という視点が大事ではないか。
A. 外交とは何か、という大きな問題だ。国益の最大化に資する一つの手段であるとの指摘は正しい。ここでは、日中関係は過去20年間安定していることを指摘しておきたい。

Q. 長期目的は外交関係の安定ということは理解するが、中・短期的な目標もあってもいいのではないか。日本のメーカーのモノを使わせるような工夫があってもよいのではないか。
A. タイド、アンタイド等の議論だが、これに関しては、国際的なルールがあり、その枠内で最大限の努力をしているところである。また、日本人がある種の国際機関のポストを確保できるように努めているがその点でも役に立っていると評価できよう。

Q. 戦後の協力的な対中関係は対立的な対ソ関係と対照的。対中国ではビジネスの面でも実績が上がっており、経済関係では成功していると評価できるのではないか。ただ、中国の内陸部開発に関連して、今後、内陸部が分裂しかねないとの危惧も一部にあるようだが、どのようにお考えか?
A. 西部大開発は中国の統一性を保つために有効であろう。個人的には、分裂している中国より安定している中国の方が望ましいと考えており、外務省としてもそうではないか。

Q. ODAの規模を外務省ホームページで見たところ、日本が153億ドル、アメリカが91億ドル、独仏が約55億ドル程度であり、日本の経済規模に比し、バランスが取れているのか、という危惧を有している。軍事力行使を放棄している我が国の国是に照らしてみると理解できなくもないが、それにしてもやや行き過ぎではないか?
 第2の懸念は、日本の対中ODAが各種原則に照らし合わせて適当なのか、ということだ。各論の細やかな話は司司で処理すればよいのだろうが、軍事独裁政権や核兵器をもって他国を威嚇するような国々に対してODA援助をここまで大々的に行うことはいかがなものか、という素朴な日本国民感情があるように思う。もう十分にやってきたのではないか。現在のODAの意義がよくわからない。対中協力額は減額してもよい時期に来たのではないか。
A.確かに日本の援助額は世界一だが、欧米諸国の援助は贈与が大部分であるのに比し、我が国の場合は借款が多いという特徴があり、一律の比較には無理があるように思う。いずれにせよ、様々な指標があり(たとえば、米国の場合は、軍事力による貢献、選挙監視による協力等様々な形態がある。)、冷静に分析していくことが肝要。ただ、個人的見解だが、少々日本の協力額は大きすぎるかなという感触もある。
 第2の点に関しては、ODAは我が国外交の最大のツールであり、軽軽におろそかにすることは不適当である。軍事独裁政権への協力をゼロにするというのは柔軟性を欠く。その時々の外交情勢を総合的に勘案していけばよい。

Q. 日本のODAが各国の軍事力増強に使われてないという保証はあるのか。
A. 日本のODA資金が直接軍事力増強に用いられることは制度上あり得ない。ただ、軍事費ゼロの国にしか出せないという事態になることにも問題があるのではないか。

Q. 見直しにもう少し弾力性があってもよさそうな気がする。天安門事件のような事態に対してどう対処してきたのか。
A. 核実験が行われたようなときには新規の協力案件をストップしている。技術的には単年度協力の方が柔軟性が高まることになる。

Q. 借款の回収状況如何?
A. 中国は優秀な借り手だ。返済はきっちりしている。

Q. 対中批判が多いのは、日本の道路工事のように一旦予算が確保されると無駄なものでもどんどん行われていくということにあるのではないか。
A. 経済協力政策全体を司っている組織において不断の見直しを行っていくことが肝要。

Q. 我が国財投制度も根本的な見直しがなされたし、中国大都市の発展振りも我が国のそれに近いものもある。民間企業の活動状況も外交政策上のツールの一つになりえるのではないか。
A. 我が国民間企業活動の促進を図ることもODA政策の一つの柱である

(概略以上。今回の例会アレンジ担当:安達徹(国土交通省大臣官房人事課付))
Posted by gyosei-kanji
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