行政の将来を考える会

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第53回例会「地方分権とこれからの日本の姿について」
(講師:静岡県庁・西野勝明氏)
8月29日(木)、行政の将来を考える若手の会第53回例会が開かれました。今回の例会では、『地方分権とこれからの日本の姿について』をテーマに、静岡県庁・西野勝明氏をお招きし、約20名(講師を含む)が出席して意見交換を行ったところ、主要点は次の通りです。

A.地方分権とこれからの日本の姿について(政策研究大学院大学・国際開発プログラム(静岡県)・西野勝明氏

1. 地方分権化の背景
(1) 地方の時代(1970年代)
  ・高度成長の終焉
  ・有力知事・首長の出現(長洲、平松ほか)
  ・Uターン現象(都市環境の悪化)
(2) 今回の分権化の背景
  ・キャッチアップ・非常時体制の終了
    幕藩体制(分権)、近代化(明治)、戦時体制、復興&キャッチ・アップ
  ・住民の価値観の変化(地域を見直す動き)
    地域づくり運動の隆盛(ビオトープ、地域文化の復興など)
  ・政府の失敗等
    バブル経済、97年失政、モラル・ハザード(リクルート、エイズ、接待  など)
  ・市場経済重視の傾向(新古典派的世界観)
    市場の失敗、政府の失敗
    中央政府の計画経済の破綻、政府の役割の縮小傾向、規制緩和
  ・有力知事の出現  石原、北川、橋本、浅野など
  etc

2. 地方の課題
(1) 自治体サイドの課題
  ・タコツボ経営(自治体間競争の欠如、閉塞的傾向)
  ・経験重視(理論軽視)
  ・戦略形成型人材育成の遅れ、(実践型人材は豊富)
  ・専門性の不足(ジェネラリストは豊富)
  ・政策評価、チェック・アンド・バランスの不足
  ・規模の過小性
  ・地域間の財源配分(都市部と田舎)
  ・補助金への依存症
(2) 住民サイドの課題
  ・地域への関心
  ・住民エゴ(いわゆる)
    廃棄物処理、発電所
  ・プレッシャー・グループ(土建、農漁業、福祉、教育)
  ・住民グループ
    マニアックな運動からの脱皮

3. 地方分権は必要か
(1)ネガティブな視点
    衆愚政治?官民癒着?
    受け皿論(規模の過小性、行財政能力の不十分性)
    画一性か多様性か(地理的には日本はカリフォルニア1州と同じ)
      税制、規制、料金など
    大きな環境変化への対応力
    グローバリズムと逆行?
    行政課題の広域化
(2)ポジティブな視点
    新しい活力の素―地方? 関西復権、天皇を京都に
    廃県置藩、藩政改革(ex.薩摩藩の島津斉彬の改革)をモデルに多様な改革の芽を
    民主主義の学校
    現場に近い意思決定
    競争原理
    人・組織は仕事を通じて成長する?
    機動性(防災対策、地方の国立大学を自治体に移管―ローカライズ化により特色が出る)

4. 求められる方向性
(1) 民間セクターの育成・活用
    自治体向け民間専門機関(財務管理、プロジェクト管理、人事管理など)の発足と市場の育成
(2) チェック&バランス機能の強化
    議会、民間専門機関、住民セクターの三位一体でチェック
(3) 情報の非対象性の解消
(4) 財源移譲、人材の再配分
(5) 自治体間競争の活性化

B.主な質疑応答(要旨)

Q.経済、交通の発達等により広域行政へのニーズが拡大しているが、自治体の 単位が小さすぎないか。道州制の導入の議論もあるが。
A.確かに大都市圏を中心に広域行政へのニーズが高まっているが、道州制につ いては疑 問が残る。自治体には其々歴史的な経緯があって形成されており、 ただまとめても地域 のアイデンティティが維持できない。ただ、首都圏の ように地域の独自性が薄れている 地域はまとめた方が良いのではないか。

Q.地方の仕事の中でも国に持ってきたほうがよいものがあるのではないか。例 えば阪神大震災の時に県警同士で通信機器の規格が異なっていたためコミュニ ケーションに支障をきたした。
A.昨年度から施行された地方分権一括推進法の制定過程で国、国・自治体間の 事務の見直しをした。その中で国に返した事務もかなりのものにのぼってい る。また、警察は事実上、国の事務に近い形になっている。ただ、予算的な 面は県が組んでいるので、そちらからの影響力はあるが。

Q.都市と農村とで施設整備にしても不公平があるのではないか。財政的にもっと整理できないか。
A.確かに地方で豪華な会館や利用が少ない道路が整備されている。ただ、人口 4〜5千人の町や村に行くと、病院がなく近くの市の病院に行くには細い道路一本が頼りと言うところが多くある。大雨が降ると急患でも運べなくなる。こうしたところの道路整備は必要である。一方、首都高の渋滞に見られる都市部の整備の遅れも酷い。従って画一的な議論は望ましくないが、全体としては地方でのハード面でのシビルミニマムは満たされつつあるのでないかと思う。従って財源の再配分の見直しは必要である。

Q.交付税は増やした方が良いのか。それとも税財源全体を変えるのがよいのか。
A.税制そのものを根本的に変えることができれば、それが一番望ましい。しかし、それがなかなかできないのであれば補助金から交付税に切り替えていくことは是非必要である。補助金の方が資源配分の歪みを大きくする。

Q.地方分権は県より市町村主体でいくべきではないのか。市町村の方がより住民に近い行政主体であり県は中間的な存在である。
A.確かにそうした考えも有力である。しかし、歴史的な経緯や規模のメリットなどから考えて独自な政策を打ち出していくには、幕藩体制の時の藩ぐらいの規模が必要ではないかと思う。また、国の地方支分部局の規模では大きすぎるのではないかと思う。地域の独自性を打ち出すのが困難ではないかと思う。

Q.地方でのIT施策はどんなものがあるか。
A.申し訳ないが、県のIT施策についてはあまり詳しくない。ただ、県では職員1人1台のパソコンを導入し、ペーパーレス化はかなり進んでいる。ただし、インターネットの利用については室に1台に限っている。

Q.住民への増税はこれから不可避ではないかと思うが、何か良い手立てはあるか。
A.現在の経済情勢では増税はとても難しいと思うが、緊急的な施策のために増税することは地域で可能ではないか。例えば、静岡県では東海大地震対策のため法人県民税の超過課税をやってきている。

Q.雇用問題が深刻化しているが、自治体でやれることはあるか。
A.自治体でやれることは限られているが、静岡県では学校に臨時講師を雇ったり、有償ボランティアを導入してインカムの提供機会を増やしている。長期的には起業家育成に力を入れている。

以 上

(今回の例会アレンジ担当:安達徹(国土交通省大臣官房人事課付))
Posted by gyosei-kanji
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