行政の将来を考える会

省庁や官民の枠を越えて日本と行政の将来のあるべき姿を議論しよう!
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第36回例会「中小企業と日本の将来−政策と経営は何を目指すか」
(講師:通産省中小企業庁長官官房総務課調査室長 吉田雅彦氏、株式会社ホッタ代表取締役社長 堀田邦彦氏)
1999年10月27日、行政の将来を考える若手の会第36回例会が開かれました。今回の例会では、「中小企業と日本の将来−政策と経営は何を目指すか」をテーマに、通産省中小企業庁長官官房総務課調査室長の吉田雅彦氏と、株式会社ホッタ代表取締役社長の堀田邦彦氏を講師としてお招きし、28名(講師を含む)が出席して意見交換を行ったところ、主要点は次の通りです。

1.政策の視点(吉田氏)

(1)中小企業の基本認識−構造変化の中での中小企業の対応
(イ)高度成長を支えた経済社会システム・市場の構造が変化し、バブル後についにうまくいかなくなった。新たな技術、発想が経済成長の推進力となり、成熟した生活者によるマーケットの中で、低成長だが当たるビジネスは当たるようになった。
(ロ)情報技術革新により、企業内でのコンピューター活用中心から、ネットワーク化のインパクトにより、産地の広域化、下請の多角化、そして世界を相手にビジネスする中小企業が生まれた。
(ハ)構造改革により、うまく行っている企業と行っていない企業の両極が発生し、プラスマイナスの双方において大きなインパクトが生じた。金融システムについて言えば、「つぶれない銀行」から「甘い経営では破綻する銀行」に変化した。
(ニ)少子高齢化と雇用流動化により、その時々のビジネスへの貢献に応じた収入への転換や、中小企業の雇用吸収機能の低下が見られている。
(ホ)これに伴い、中小企業政策も変わることとなった。従来の格差是正から、今後は(a)市場での健全な競争、(b)多様な就業機会の増大、(c)地域経済の活性化を掲げることとなる。

(2)中小企業の業種
 予め頂いた質問には、ベンチャー企業に目が行きがちだが伝統的なものも重要との指摘があったが、今は、どこの産業が良いというより、各産業においてどこの企業が良いという評価がなされている。しかもその評価をマーケットが行っているのが現状である。

(3)貸し渋り
(イ)昨年の貸し渋り対策(特別信用保証等)がよかったかという点については、モラルハザード論を検証したいと考えている。
(ロ)特別信用保証は、中小企業救済には効果があったが、モラルハザードもありうる。その一つは、保証しても到底助かる見込みがない中小企業までも保証してしまい、結果として事故となって税金の無駄遣いになってしまうこと、もう一つは、特別信用保証のおかげで、その中小企業は存続できるが、経済全体の効率性の基準に照らせば、淘汰された方が良かったということの2類型が考えられる。このうち、前者については、事故率で判断できると思う。後者についても、データがとれれば検証したいと考えている。

(4)直接金融市場
 日本でも、早くから直接金融市場が存在すれば、ベンチャーキャピタルなどそれに応じた産業が起こったであろうが、存在しなかったために、米国のようにはそれが起きなかった。このような市場を作り、機能させるためには行政のルール設定が必要である。しかし、例えば弁護士の増員を取ってみても、ベンチャーを支援するような弁護士が育つまでには一世代かかるように、直接金融市場を作っても短期的には効果が現れるわけではなく、効果が出るまでに時間がかかると考える。したがって、必要な改革は早くやらないといけない。

(5)ベンチャー企業
(イ)大多数の人は普通の企業に働いており、ベンチャー企業自体で全体を救うのは難しい。しかし、ベンチャー企業には、経済を推進する効果がある。中小企業は8割を締めているが、多くの中小企業の業績は景気に依存する。その景気を引っ張るのがベンチャー企業である。統計的に見れば、創業が増えると廃業も増えており、これにより新陳代謝が起こっている。これにより生産性も中期的に上がると思う。ただし、この点については誰もまだ証明していない。
(ロ)この関連で、何のために経済構造改革、規制緩和をやるのかという点について焦点がボケがちであるが、一つの目的は、創業がやりやすくなるということがあると思う。これが、次の時代のドライビングフォースになる。

2.経営の視点(堀田氏)

(1)株式会社ホッタの経営
(イ)株式会社ホッタは、明治12年に名古屋の時計の卸小売としてスタートし、今年が創業120年という節目の年となる。
(ロ)自分の考えは、宗教ではないが、自然を手本にものを考えている。屋上緑化をしたり、エコライフという会社をつくったりした。また、戦後の使い捨て社会に疑問をもっている。孫の代まで地球が良くなるような社会作りの一翼を担いたいとの思いがある。
(ハ)時計卸の業界は下り坂に入っており、同業者が多数倒産している。その中で、先代は昭和38年には車のディーラーもはじめた(後に売却)。また、ゼイルという米国の宝石のチェーンと提携後、買収してポンテヴェッキオという会社にした。(ニ)昭和62年に自分は先代社長からバトンタッチを受け、今年で12年になる。この1月の決算で、グループ6社計売上高85億円、経常利益4億3千万円となった。最近はイタリア企業のピエログィディ社との合弁によるジョイントベンチャーもやっている。

(2)日本経済・社会と中小企業
(イ)いつも物事を考えるときには原点にもどって考えることが大事である。この点において、「資本の意志が日本を復活させる」(増田俊男著)、「アメリカの鏡・日本」(へレン・ミアーズ著)を読んで、戦後の日本の教育を受けてきた自分が歪められた歴史観を持たされていると感じ、目がさめる思いをした。日本人として、原点に立ちかえって考える必要があると思う。
(ロ)今、日本の社会はフェアーかという点についても問題を感じる。特別信用保証によって、我が業界にも一息ついている企業もある。金利もゼロ、株も現状通りの世の中で、消費を増やせと言ってみても無理であり、業況は厳しい。他方で、建設業界、郵便貯金の金がどこに行っているのか、日ごろ疑問に思うことが多々ある。
(ハ)市場原理の導入も必要である。自分は日本時計輸入協会の役員をしているが、この協会はカタログを毎年作って、それを協会の運営資金にしている。自分は3年前にカタログ事業部長となったが、それを受ける際に、談合の匂いがするのでフェアーにやりたいと会長にいった。その後、新たに3社をいれて見積もりをしたら、1億円の仕事が、1年後に7千3百万円、2年後に5千4百万円、今年は2千5百万円になった。その間に冊数は半分になってはいるが、印刷は部数が減っても費用があまり変わらないものなので、費用削減効果は大きかった。このように、市場原理を入れるだけで大きく変わる。
(ニ)なぜ中小企業がだめなのかというと、日本では優秀な人材は、どうしても官庁や大企業志向であり中小企業にこないという傾向がある。米国は正にできる人ほど自分でベンチャーを起こしたり、小さな企業で能力を発揮して大企業に育てていくというチャレンジ精神があるように思える。
(ホ)ファイナルユーザーの視点から価値を生まないものは消滅すると考えている。企業であれ、役所であれ、利用者がその価値を認めなかったり、支持しないものは存続が難しい時代になっている。

(3)Y2K(2000年問題)
(イ)Y2Kについては、自分は大変な問題と思っており、現在Y2K市民ネット東京の世話人として活動している。先日東京都の2000年対策室へY2K市民ネット東京の仲間と打合せにいったが、Y2Kの本質を充分理解した上で対策が作られているとは思えない。特に深刻なライフラインに対する認識の甘い危機管理計画を立てても意味がない。
(ロ)今日、取引先の銀行の担当常務と話したが、年末年始は当然出勤するし、従業員をホテルに泊まらせるとの話をしていた。しかし、そのホテルの中で、ライフラインがとまって、電子ロックが空かなくなったらどうするかという疑問をぶつけたら、考えてもいないとの答えだった。
(ハ)某大手コンピューター会社の社長も自社の商品だけ対応すればよいと思っている。また、日本政府はあまりにも秘密主義であり、危機管理に対して真実を国民に伝えないのは問題である。

3.質疑応答

(1)(質問)吉田室長の説明された内容は外部環境に焦点を当てているが、中小企業そのものの内部の活動も問題である。先般読んだ新聞記事で、日本企業を取り巻く3つの環境である(イ)産業保護、(ロ)右肩上がり経済、(ハ)情報非公開社会に加えて、5つの内部要因として(イ)事業哲学欠如(何をやりたいのかはっきりしない)、(ロ)ピラミッド型社会(コミュニケーションの欠如)、(ハ)無責任主義のはびこり(和の経営)、(ニ)行き過ぎた集団主義(秩序が保たれればなんでもよく、徹底的な議論を回避)(ホ)人間関係を重視した管理(上司に忠実な部下が偉くなる)を挙げていた。このような大企業に典型的な内部の行動パターンは、中小企業ではどのような状況にあるのか。

(吉田氏)産業保護を受ける業種はあったが全部ではない。日本の競争力が高い産業は保護を受けなかった業種であり、逆に非効率な産業は保護を受けた業種である。また、1960年代は、間接金融方式が妥当であったし、下請け制度も米国ではゲーム理論により良い制度であると言われていたことに留意すべきである。他方で、規制や情報非公開の問題については、昔も今も妥当する。ご質問については、中小企業は顧客管理ソフトも人事ソフトもいらないくらい小さい組織なので、大企業の問題は該当しないのではないか。また、経営方針がしっかりしない中小企業は長く続かないという点でも大企業と状況が違うと考える。

(堀田氏)ご質問の指摘は人間の気質に関わるものであり、大企業も中小企業も同様に当てはまると思う。当社の状況を説明すれば、120人の会社を7つの分社に分けて経営しており、自分は最終的に債務保証を取る覚悟で手形も小切手も分社長に渡している。任せられるような人材に恵まれているので、何とか今年も利益をあげている。分社経営は、個々の会社の組織が小さいのでオーナー経営者として、管理がしやすいという面もある。自分は先代からブレーンをつくれと言われたが、つくらなかった。これは、100人くらいの会社で派閥をつくっても意味がないと考えたからである。今でも、派閥的な動きにならないように注意している。

(2)(質問)(イ)特別信用保証について、今回は必要だったとのことであるが、モラルハザードは今後とも発生する可能性がある。一方では企業に競争力をつけさせる必要があり、他方で企業をどんどんつぶすことはできないとの事情がある。グローバルスタンダードは、競争を激化するために貧富の差を作ることを要請するが、。その中で、如何にセーフティーネットを構築するかが行政の課題である。この点につき吉田氏の意見を伺いたい。また、経営者の立場からすれば、政府が生半可なてこ入れをすると不健全との見方もあるし、逆に行政からの適切な助けの手が必要との見方もある。この点につき堀田氏の見方を伺いたい。
(ロ)なお、戦争の問題については、少なくとも、第一次世界大戦後に不戦条約が結ばれており、戦争することは侵略することと同義という整理にはなっていない。極東軍事裁判については、独とイタリアについては、自国で戦争犯罪を裁く裁判をやっているが、日本はそれをやっていないので、日本だけが自虐的ということはない。

(吉田氏)(イ)政府の役割としては、平時であれば規制改革、税制、会社制度等の制度の設計が本分であると思う。直接金融市場の整備や、弁護士制度を法曹界のみならず経済社会全体の問題として再検討することも同じく政府の役割である。そして、社会はどんどん変わって行くので、絶えずメンテナンスが必要であり、これは政府しかできない。ベンチャー企業関係制度の日米比較をやりたいと考えている。どちらが創業に対して支援的制度なのかを見てみたい。
(ロ)また、マクロ経済運営をどう考えるかということも政府の役割である。ケインズ政策も、ある意味でモラルハザードを引き起こすものである。昨年のケースは正当化されると考える。
(ハ)特別保証がなぜ必要だったかというと、これは長年規制緩和をしてこなかったツケを払ったというように理解している。
(ニ)セーフティーネットは、制度設計に特化するクールな行政を進めるという立場に立てば必要になってくる。法人のセーフティーネットについては、日本では破綻のときに個人補償をしているので、私財も全部失う場合が多いが、米国では会社がつぶれても個人保証していないし、個人が破産しても家と車が残るといった制度がある。個人のセーフティーネットは、仕事を失った人の生活の問題であるが、日本は米国より優れたセーフティーネットを持っていると思う。ただし、日本では個人のセーフティーネットが持続的に運営できるか人々が不安に思っており、これは担当の役所ということではなく、戦略的に決める必要がある。
(ホ)中小企業の経営者は、(a)資金繰りのノウハウ、(b)顧客を知っている、(c)商品知識があるという強みがあり、これがある限りは商売ができる。倒産した場合でも、借金を踏み倒すなど信用を失うことがなければ、同じ顧客に違うものを売り、資金繰りのノウハウを生かして続けることが可能である。倒産しても自己破産せず返済を続ける人がいるのはこのためである。

(堀田氏)時計関係の協会には、以前は関係省庁の人を迎え、かなりの高給であったが、次の人は民間企業から以前より少ない給料で優秀な人を迎えた。また、宝石関係の協会にも関係省庁から来ているが、車付き、高年収等の要求がある。厳しい組合の現状からすると無理なことを言われても、受けざるを得ないことがあり、矛盾を感じている。

(3)(質問)ホッタグループとして120年間いろいろな事業を展開しているが、新しい分野に入るときに何か判断の座標軸があるのか。また、最低限いつも考えるようにしていることはあるのか。最後は自己責任であろうが、120人の社員を抱えていることもあり、重役に諮る等して自分の考え方を検証する等、気にかけていることがあるか。トヨタから撤退したとのことだが、こうなったら引く、辞めるという基準はあるのか。

(堀田氏)(イ)車業界に入ったのは、トヨタがパブリカ、日産がサニーを出した時代に、当社がもともと名古屋におりメインは東海銀行だったので、その銀行からの勧めがあったことが一因である。また、父の戦友で車を扱っていた人がいたため、その人と合弁でやった。(ロ)社内で新しい商品を手がける際には、現有勢力の中でできるかを考えるが、ローラーブレードに似た商品を10年前に手がけたものの早すぎて失敗する等、早めに手を出しすぎて失敗するケースが多い。(ハ)最近は、レストランを始めたり、イタリアとの合弁ベンチャーをはじめたが、基本は人との出会いである。カ・アンジェリというレストランを始めたのは、佐竹さんというシェフと自然に対する思いに共通のものを感じたので、厳しい業種と聞いていたにもかかわらず始めた。やはり、人脈、タイミングが重要である。(ニ)また、損失の限界を決めており、例えば1億円という投資の中で、最大損失はそこで撤退をしようと決めている。ただし、車については、パブリカの赤字が4000万円積もって本業に影響した際、先代社長が周囲の反対にもかかわらず続けるといって、結局黒字転換に成功した例もある。

(4)(質問)モラルハザード論について、中小企業発行債権に信用保証をつけるとの案がある。これは東京都が通産省に頼んでやったことのようだが、信用保証協会が保証をつけることは、リスク管理を歪めるのではないかとの議論についてどう考えるか。

(吉田氏)直接金融市場を以前から少しづつやっていれば必要なかったのであろうが、今はベンチャー創業者の最大のネックは資金調達で、制度構築の後、関連のベンチャーキャピタルが育つまでに一世代要するという中で、何もやらないのか、あるいはモラルハザードがあっても何かやるかという選択の問題だと考える。どちらが良いというより、価値判断の問題である。

(5)(質問)中小企業が相続税を払ってつぶれてしまうということを聞くが、そのようなことはあるのか。

(堀田氏)(イ)先代は平成元年になくなった(バブル期の最後)。先代は会社に投資していたので、相続税がまともに課せられ、まだその後遺症が残っている。企業を相続すると言う事は、単純に財産を相続するという以上に従業員の雇用の維持を果たすための生産手段としての事業を継承すると言う事だと思っている。自分が住んでいる土地や売買出来無い自社株まで相続税の対象にされると借金して納税しなくてはならず負担が大きすぎる。(ロ)(機会均等の観点からは、相続税を緩めるのも問題と思うがどうかとの質問に対し)海外で日本の相続税のようなものがあるとは聞いていない。自宅など、はずすべきものははずすべきである。

(6)(質問)中小企業施策総覧を見たが、至れり尽せりの政策がある。しかし、8割の企業は沈んだ状況にあると聞いている。政府の政策に問題があったのではないか。

(吉田氏)施策総覧にはいろいろ書いてあるが、「企業に対しては融資」という考え方が貫かれている。企業には補助金は出さない。補助金が出ているのは組合、工場団地等だ。指導・コンサルタントもあり、これは民間に委託するか、民間コンサルタントを使う際に補助するという形。

(7)(質問)実際に分社長として事業を引っぱっている人はどういう人か。大企業から出された人か、あるいは、生え抜きか。雇用の流動化が言われるが、大企業から中小企業への労働移動はどこまでうまく機能するものなのか。

(堀田氏)プロパーと途中入社がまざっている。先代の時代には銀行から来た人もいたが、なかなか大企業出身で高年齢の人を使うのは難しい。

(8)(意見)(イ)人材がいないというのは観念論である。大企業から来る人で使える人はいない。30歳前後で面白い人はいるが、少しこれを超えるとダメである。また、能力開発給付金も役に立たない。人材育成団体補助金もつまらないことに使われ、例えば調査研究をやったことにしておこうという話になる。それよりも、直接企業に対して人材育成のための補助金を出せば良い。団体にやると他人事として扱われる。
(ロ)介護も、リサイクルも、すべて会社側に大きな負担がかかる。中小企業にはお金が必要になっている。このような中で、本当に生きていくためには、技術を生かして差別化することが大事である。中小企業独自の路線を歩むには技術しかない。しかし、中小企業にとっては、マーケットにその技術を導入することが難しく、そのためのネット形成ができればよいと考えている。

(9)(質問)新しいことをやる会社を取材するが、すぐいなくなってしまう。その理由は、有名になると融資の話がくるが、アイディアだけもっていかれて会社が育たないからと聞いている。米国との比較如何。

(吉田氏)シリコンバレーでは、要素技術を持つベンチャー企業が競争して育っている。そのような状況で進んでいるとすれば、日本はお寒い状況である。また、米国では経営・会計についてはベンチャーキャピタルが保証する中で、ベンチャー企業は技術に没頭している。日本はそのようになっていない。日本では、そのようなマーケット(直接金融市場)を設定してこなかったので育っていない。

(10)(意見)(イ)人材育成への直接投資について、最終的に経済の活力を作るのは人的資本(人々の知識レベル、モノを作る力)であり、それが先進国と途上国で決定的に違う。企業にとってのみではなく、マクロ的にも大切である。その時に注意すべきことは、市場メカニズムの活用であり、団体・企業でなく個人に流すのが大事である。個人のチョイスを大事にする必要がある。
(ロ)効率的な税のかけ方とは、負の誘引効果をできるだけ小さくすることようなかけ方である。税をかけたから労働供給や生産等企業活動を減らすというようなことを極力小さくするようなかけ方を行い、経済全体の効率を損なわないようにするべきである。

(11)(質問)欲しい人材として、「若くてやる気のある人」という話であるが、日本は少子・高齢化が進み若い労働力を奪い合うことになる。したがって、高齢者や女性を労働力として活用する必要が出てくるが、彼らを組み込むことについてどう考えるか。

(堀田氏)早く女性の分社長がでてほしいといっているが、なかなか出てこない。従業員の4割は女性だが、リスクをとろうとしない。外からスカウトした方が早いかもしれない。高齢者については考えているが、自分でさえ55歳になって物忘れが多くなり、高齢者の活用に付いては悩んでいる。

(12)(意見)政府は弱者保護を考えがちであるが、仕組みをつくることが大事である。官僚系の人はこれこれしてあげる、助ける、伸ばす等の発想が強いが、最低限のインフラを作り、システムをアップデートすることに集中すべきである。また、教育に先行投資をすべきである。今の大企業の人は、ダメなのではなく、一番勉強している。

(13)(質問)自分も若くてやる気のある人材ということでインターンシップをやっているが、インターンシップの失敗例、成功例が顕著に表れてくる。成功例は、面白いネタがあり、若くてやる気のある人が挑戦したくなるというパターンである。中小企業の場合、若くてやる気のある人を動機づける上司、仕事のやり方がネックになって実現しない。そのような点について、どう対処すべきか。

(堀田)自分としては、様々な従業員の得手、不得手を見極め、そのコーディネートをすることが自分の役割と考えている。

(14)(意見)自分が起業したのは、昨年パテント(プラスチック加工関係)を申請して、それを商品化してみたいと思ったからである。右往左往していたところで、大学の先生と出会い、それがスタートとなった。自分は法学部出身のため、会計能力もない。お金も人脈もない。最終的には中学校以来からの知り合いの経営者や大学の先生と話して協力を得て、法人にした。しかし、法人にすること自体が難しい。その際べンチャーキャピタルも回ったが、たまたま取得したパテントが情報技術(IT)関連のものでなかったこともあり、反応は冷ややかであった。なぜこのIT全盛時代にこんなパテントをとったのか、やる気があるのかとまで言われた。パテントより、自分の作ったコンピューターのアルゴリズムの構築の方に興味を持たれた。現在はワップ(携帯電話のコンテンツ)について、IDO、DDI等と6月から仕事を動かし始めた。パテントも、学校の先輩が関心を持ってくれたため動き出した。会計は経済学部の後輩が先生と相談しながらやってくれている。起業一つするだけでも、今の世の中のシステムを前提とすれば大変だと思う。現在の自分の会社ができあがったのも周囲のお陰である。コミュニティーとして起業家を支えるシステムが必要である。

(15)(意見)自分で起業する人を応援する社会があれば良いと思った。単に米国が良いという話ではないが、法人設立が数万円でできたり、アイディアにベンチャーキャピタルが投資したりという仕組みがないことが、ヴェンチャー起業の出てこない要因であろう。

(16)(意見)今、世の中全体が萎縮していることが問題である。これは世紀末的な雰囲気である。昔、中小起業にはホンダ、ソニーなど夢があった。日本人全体に夢がなくなっているので夢をもとう。
Posted by gyosei-kanji
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