行政の将来を考える会

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第37回例会「九州・沖縄サミットへ向けての日米関係−外交の前線で考える」
(講師:在京米国大使館一等書記官(政治部総合外交政策課長) ブレア・ホール氏、外務省北米局北米第1課首席事務官 鈴木哲氏)
1999年12月1日、行政の将来を考える若手の会第37回例会が開かれました。今回の例会では、「九州・沖縄サミットへ向けての日米関係−外交の前線で考える」をテーマに、在京米国大使館一等書記官(政治部総合外交政策課長)のブレア・ホール氏と、外務省北米局北米第1課首席事務官の鈴木哲氏を講師としてお招きし、29名(講師を含む)が出席して意見交換を行ったところ、主要点は次の通りです。

1.米国の視点(ホール氏)

(1)はじめに
(イ)自分は、86年の東京サミットには在京米国大使館でアシスタントとして関わり、また93年の東京サミットでは在京米国大使館側のコーディネーターを勤めた。今回はサミットを担当する3回目の経験となる。
(ロ)また、自分はクリントン大統領が北アイルランドを訪問した際に、責任者を務めていた。当時の北アイルランドは、和平合意も達成されておらず、そのような中での大統領の訪問には苦労が多かった。本年8月日本に着任した際、フォーリー駐日米国大使は自分に対し、「君は大統領が問題の多い島を訪問することについては熟練しているようだね。今回のクリントン大統領の沖縄訪問の際もよろしく頼んだよ」と言われた。自分としては、この仕事は大変名誉なことと思っており、与えられた職務を全うするつもりである。
(ハ)86年のサミットは開催中ずっと雨が降り続き、事務方は大変な苦労をした。来年のサミット開催予定日である7月21日ー23日は丁度台風シーズンに当たるので、また雨が降らないかが心配である。しかし、気象庁の観測史上、この日に台風が当たったことはないということなので、とりあえず安心している。

(2)九州・沖縄サミット
(イ)率直に言って、九州・沖縄サミットは在京米大にとって話しにくい話題である。その理由は、本件は一義的には日本の問題であり、まだ米国が話すのは次期尚早だからである。
(ロ)先日、小渕総理は、サミットのテーマとして人間の安全保障や各国共通の社会問題に言及していた。こうした問題は、サミットへの「とっかかり」としては妥当と考える。しかし、米国政府としては、日本政府が実際にどういう提案をするか関心を持っており、本日のもう一人の講師である鈴木氏の意見も是非参考にさせていただきたい。このようなもとで、現段階で可能な話をしたい。
(ハ)サミットは本来経済サミットとして始まったが、現在サミットで取り上げられる問題は、経済だけにとどまらない。米国は今年のケルンサミットに大変満足したが、それはドイツが抽象的なスローガンを上手に避け、コソボ危機に焦点を絞ったからである。ケルンサミットとコソボ問題の組み合わせは成功であった。オルブライト国務長官は、これからのサミットはこうあるべきだと述べている。長すぎる声明を発表するより、実質的成果を重視すべきである。
(ニ)次回は議長国が日本である。次回のサミットは、世界の目をアジアの問題に向けさせる絶好の機会となる。グローバリゼーションの現代において、アジアの視点は重要であると確信している。例えば、米国としては、インドネシア問題には高い関心を持っている。現在東チモールとインドネシアの状況が好転しているところ、G8の姿勢としては、事態の展開を歓迎するというものが望ましい。また、北朝鮮の核兵器・ミサイル開発の脅威も議題として考えられる。万が一、ミサイルの発射や枠組み合意の不履行があった場合、G8の一丸となった対応は当然必要となるだろう。他方で、日米韓の3国協調体制もようやく成果を発揮し始めた。本日村山元総理が率いる訪朝団も無事に出発した。こうした進展が継続する限り、G8各国はそれを認めるべきであり、北朝鮮を国際社会が取りこむために、制裁ではなく今後の前向きな措置に焦点を当てるべきではないかと考える
(ホ)G8の首脳がアジアに集合するとなると、中国に言及しないわけにはいかない。中には、ロシアがデンバーサミットから政治協議に正式参加したように、今回の沖縄サミットから中国を仲間にいれようといった意見もある。この点につき、米国政府は公式見解を表明していないが、個人的意見では、中国の加盟にはかなりの困難が伴うと思っている。確かに、地域内での中国の政治的・経済的影響力は増大しているが、グローバルな視点で捉えた場合、まだまだその規模は小さいといえるのではないか。G8は民主主義愛好国家の集まりであって、中国はそのようには思われない。私達は、中国に限らず新しい国の加盟について、急ぎすぎてはならないと思う。
(ヘ)いずれにせよ、米国政府は、今後日本政府からの提案を期待するとともに、サミットの成功に向けて積極的に協力したいと考えている。

(3)日米関係
(イ)ここで、私達は日米の二国間関係を忘れてはならない。クリントン大統領の沖縄訪問は、沖縄返還以来、現職の米国大統領としては初めてのものである。今回沖縄が選ばれたことは本当にすばらしいと思う。沖縄の持つ歴史や文化に目を向けるまたとない機会となろう。また、日米安全保障体制の重要性や、沖縄に展開する米軍が、地域と日本の安全のためにいかに重要な役割を果たしているかについて、理解を増進させる絶好の機会になるだろう。
(ロ)日米間には、サミット開催までに進展させなければならないいくつかの重要な問題がある。まず、SACO合意を進めなくてはならない。既にかなりの部分で進展しているが、中でも普天間基地の返還と移設は画期的なものとなるだろう。稲嶺沖縄県知事は、先週移設先を正式に発表したが、その後の施設を巡る決断について、政府の速やかな対応を望んでいる。米国政府は、米軍の円滑な活動が保証される限り、いかなる施設も受け入れるつもりである。また、注目は日米同盟関係に向けられるだろう。ここでも、SACOの合意の進展、すなわち沖縄の負担を軽減させて米国が良き隣人になろうとする努力について、日米両国政府は証明する必要がある。更に、サミットとは直接関係ないが、日米両国はパートナーシップに基づきアジアの繁栄を引き続き支えるため、公平な役割と負担の必要性を確認すべきである。
(ハ)今年は日本の国会で指針関連法が成立し、新しい枠組みが整えられた。今後、更に具体的な協議を進めて行くべきである。加えて、特別措置協定について、米軍の駐留経費支援(ホストネーションサポート)の意義や重要性を、日米両国が正しく理解することが必要である。その上で、サミットにふさわしい環境作りをしていきたいと望んでいる。

(4)おわりに
 このように、私達の前には沢山の課題があるが、サミットを契機に解決に向かって大きく前進できると期待している。開催場所選定における小渕総理のリーダーシップはすばらしかった。総理は冷戦後の変化に日米両国が対応する必要性について十分理解されているからこそ、あのような英断をされたのだろう。是非ともサミットを成功させ、日米両国が良い方向に前進している姿を世界に示したいと思う。

2.日本の視点(鈴木氏)

(1)日米外相会談
(イ)本日未明、シアトルで日米外相会談が行われたので、御紹介する。本件会談は、WTO会合の機会を捉えた河野大臣とオルブライト長官の初顔合わせであった。
(ロ)まず、サミットに向けて、日米が協力していくことが確認された。
(ハ)また、村山訪朝団も話題となり、これからも引き続き北朝鮮問題につき日米韓が協調していくことが確認された。
(ニ)普天間基地の問題については、大臣より稲嶺沖縄県知事の決定について、移転先とされている名護市の反応等今後の進展を見守る必要があると説明した。オルブライト長官からは、重要な進展であり嬉しいとの発言があった。
(ホ)WTOの問題については、日米間では農業、反ダンピングなどで立場が違うものの、これはマルチの枠内で話し合われる問題でもあり、今後日米で良く話し合っていきたいというのが基本的なトーンであった。

(2)日米関係の課題
(イ)日米の政策協調(ポリシー・コーディネーション)
(a)北朝鮮問題については、これまで3か国は緊密な連絡をとってきたものの、3国の置かれた環境は全く同じではない。例えば、我が国はKEDOに対して資金協力する用意がある旨表明したが、テポドン発射、不審船侵入などが発生し国内世論は硬化した。韓国では、包容政策の観点から民間での経済交流を進めている。しかし、北朝鮮に対しては、日米韓が一致した態度で対応することが重要である。特に、北朝鮮は相手を分断しようとする可能性があるので注意すべきである。
(b)中国については、クリントン大統領の中国訪問をピークに米中関係は進展したが、その後本年初めに中国による核技術スパイ事件が発生し、また本年5月にベオグラードの中国大使館誤爆事件が発生した。これにより米中関係は再び冷却化した。その後、米国内では、中国は「異質」ではないかという議論が出てきている。また、中国が依然として覇権主義的発想から脱しきれていないのではないかとの指摘もある。もとより日本としては、あくまで日米中の3か国の関係は「ゼロサム」ではなく「プラスサム」の関係にあると認識しており、中国を国際社会にエンゲージさせていくことが重要であり、米中関係が進展することは歓迎するとの立場である。日本としても日中関係の進展に努力している。
(ロ)安全保障
(a)長い間の懸案となっていた指針関連法が、5月に国会で成立した。
(b)自分が韓国に勤務していた94年3月初めに北朝鮮と韓国の間の会談が決裂し、いわゆる「ソウル火の海」発言があって、経済制裁をするかしないかで緊迫した状況となった。当時は、在留邦人をいかに避難させるかが緊急の課題であった。朝鮮半島で万一何らかの緊急事態が起きる場合の法整備が一応できたということだと思う。
(c)沖縄サミットと基地問題は全く別の次元の問題であるが、普天間は、在日米軍基地についての象徴的な問題であるので、できるだけ早期に解決に向かうことが重要と考える。これは、そもそも日本からの要請を受け米国が決断した問題であり、前進させることが必要である。クリントン大統領の沖縄訪問とサミットの双方の成功にとって重要なことと考える。
(ハ)日本経済の回復
(a)日本自身にとっても、21世紀に向けてこれまでのシステムを変える必要がある。
(b)米国では100か月にわたり好景気が続いている。いつかは減速するのではないかと言われつつも、99年第3四半期は5.5%、年間では3.7−8%の成長率を維持できている。
(c)これは幸運な環境ではあるが、その間に日本もできるだけ景気を回復し、かつてのような国際経済における主要な役割をはたすことが大事である。米国としては、日本が早く景気を回復することにより、米国の景気がソフトランディングできる環境を整えるとともに、アジア経済の回復のために日本が主導的な役割を果たすことを期待している。政府の景気刺激策等により、改善された数値が出てきているが、引き続き米国は関心をもって見守っている。
(ニ)総括  サミットで如何なる事項が議論されるかについては、自分は承知していないが、今後G8各国とも協議しつつ準備を行って行くこととなろう。いずれにせよ、主要な国際問題については、サミット準備の進展と日米間の協調は重なってくることとなる。

(3)日米首脳会談
(イ)昨年11月にクリントン大統領が訪日されたが、小渕総理は日程の作成にあたり大変配慮をされた。今年5月に小渕総理が12年振りにワシントンを公式訪問されたが、その際もクリントン大統領は様々な木目細かい配慮をされた。例えば、ホワイトハウスでの歓迎晩餐会も特に収容人数の多い施設が使われた。
(ロ)沖縄サミットでは、サミット自体も大事ではあるが、日本や沖縄をPRできるような様々な工夫が必要となると思われる。来年の日本外交のトップ・プライオリティーは沖縄サミットであり、成功に向け努力していきたい。

3.質疑応答

(1)(質問)サミットのメンバーシップについて、「民主主義」が主要な基準の一つであろうとのことだが、例えばインドは世界最大の民主主義国家である。これに対する考え方はどうなのか。

(ホール氏)サミットに多くの国が関与し、G9、G10となっていくと、国連安保理と同様の問題に直面する。米国の観点からは、組織の目的に鑑み、どのような問題を扱い、どの国が入るべきかを考えるということだと思う。国の数が増えるとコンセンサスをとることが難しくなる。

(2)(質問)70年代には、インフレや冷戦があり、G7は政治・経済両面での協力強化のデモンストレーションが行われた。ソ連もなくなり中国も変わって行く中で、ロシアの参加で環境も変質したところ、サミットは政治主導になってきたのではないか。

(ホール氏)難しい問題だが、現在、サミットではG8首脳会議の1日前にG7首脳が集まる。従って、議題の中には、(世界経済など)ロシアが不参加のもとで話がされるものがある。ロシアのG8への参加には、ロシアが政治的・経済的に発展して欲しいとの気持ちが背景にある。

(3)(質問)中国参加問題について、中国は世界で一番大きな市場であることから、米国のビジネスマンは中国に進出しようとしており、そのためにWTOで後押ししていると思う。米国は中国をG8に引き入れ経済的に発展させようとの気持ちがあると思うが、実際に米国内にそのような意見はあるのか。

(ホール氏)中国は市場としても難しく、国として捉えどころがない。米国は中国と戦略的なパートナーシップを築く必要がある。無視するには大きな国であるが、どの程度、どのレベルで、どの程度オープンにすべきかは機微な問題である。政治的には、今年から来年のG8参加は米国の政治的観点からは問題外である。長期的には中国との関係を見据えて取り組むが、楽観的にも懐疑的にもならずに取り組む必要がある。

(4)(質問)中国大使館の誤爆は、意図的ではないのか。

(ホール氏)誤爆事故であることは疑いない。誤爆による戦略的な利益は全くない。しかし報道を読んで面白いと思ったのは、米国務省ナンバー3のピカリングが訪中して謝罪した際、中国政府が事故と信じられなかった理由の一つが米技術に対する絶対的な信頼であったとわかったことである。しかし、政府の近くに来れば来るほど、政府は間違いを起こし得ることがわかる。

(鈴木氏)もし意図的な爆撃であれば、米国にとって何かのメリットがあったはずだが、それは全くないし、逆に払ったコストはあまりにも大きい。日本は第三者だが、合理的、理性的に考えても、米政府の説明は真実と考える。大統領、国務長官などが謝罪しており、通常の二国間関係から見ても、起こってはいけないような関係の悪化があった。

(5)(質問)民主愛好国(democracy-loving country)の定義を知りたい。中国は異質というが、中国が異質で無くなるためには何をすればよいか。19世紀的な覇権志向がなくなるべきというが、中国は米の覇権・先進国の一人勝ちが構造的な暴力になることに反対しているだけではないか。

(ホール氏)自分は理論家でなく実務家であり、定義は理論家に任せたいが、自由な選挙、マスコミの自由等が挙げられる。中国は民主主義国ではなく、ロシアは新民主主義国である。中国は、国としてどういう方向性をとっていくのかが見えて来ない。

(鈴木氏)東チモール問題でも、「民主化」のためにもう少し圧力をかけるべきであるとの議論があったが、確かに「民主主義」とは何かという問題はある。基本的な基準としては、公正な選挙制度や言論の自由、報道の自由が確保されていることが挙げられよう。中国が異質とみなされないためには、中国が国際社会の一員として、国際社会が抱えている問題の解決に向けて、積極的な貢献、建設的な役割を果たそうという姿勢を示していくことが必要ではないか。

(6)(質問)沖縄の負担を減らしたいというが、普天間基地は、単に別の場所に移すだけであり、沖縄の負担は変わらない。米国は基地の縮小を決められるのではないか。米専門家ですら、海兵隊は東アジアの安全保障に使われず、中東や西アジア地域でも使われると言っている。仮にガイドラインを前提としても、これだけの米軍の日本駐留が必要なのか。

(鈴木氏)普天間基地の移転が実現しても、沖縄から基地がなくなるわけではないというのはそのとおりである。しかし、何を現実的に行い得るかという観点からは、普天間の問題は住宅が密集している市街地にあれだけの規模の基地があることであり、そのことにより生じる問題が、北部地域に移ることにより改善されれば、沖縄県民の負担は軽減されることになる。また、日本における駐留兵力については、アジア太平洋地域のおかれた安全保障情勢と、日本、韓国、その他前線配置兵力の規模を総合して判断されるべき問題である。

(ホール氏)日本は治安の悪い場所に住んでいる。いくつかの隣人は凶悪である。現実は、悪いことがいつか起こるかもしれないということであり、この地域の長期の安全と安定のため計画を立てなければならない。前方展開している本土・沖縄の在日米軍は、楽しみのためではなく、日米にとって非常に重要な役割を担っている。もし来週でも奇跡的なことが朝鮮半島で起これば、両国で同盟関係、安全保障体制を見直し、軍の構成を変えられるかもしれない。ここにいる誰もが、安全保障について、賭けをしたくないと思っている。現実的に考えると、代替案は存在せず、現在の体制以外にはない。具体的な数についてはここで提示できないが、米が日本に一方的に押し付けているものではなく、日米双方が詰めているものである。米軍基地の削減については、他の理想的な解決があれば良いが、より良い方策に向けての進展であり、方向性としては間違っていない。普天間は航空基地であり、ヘリコプターがあり、海兵隊がいる。何かが起きたときに最初の展開する部隊であり、北朝鮮で何かがおこれば基地からヘリコプターを使う必要がある。

(7)(意見)沖縄基地の縮小が可能かという点について、自分は海兵隊が沖縄に常駐していなくても、オペレーショナルレベルでは朝鮮有事に対応できると考える。在日米軍の中では、第七艦隊が最も重要である。しかし、海兵隊の削減は政治的には問題であろうと思う。すぐ即応展開できる兵が沖縄に存在することにより、北朝鮮にメッセ−ジを送っているという事実が重要である。また、ヘリポートも、岩国でなく名護にあった方がよいと思う。

(8)(意見)整理・統合・縮小のうち、沖縄では整理・統合は行われているが縮小ではない。他方で、沖縄以外に縮小できる余地は随分ある。横浜の瀬谷基地、北部の基地(三沢)の縮小可能性もある。従って、例えば先般の瀬谷基地の縮小は大々的に宣伝してほしかった。

(9)(質問)アジアの安定と繁栄のためには、朝鮮半島及び台湾海峡の安全が重要である。朝鮮半島もさることながら台湾海峡有事の方が可能性も影響も大きいので、純軍事的にみるならば、沖縄の基地は拡大強化する必要がある。しかしこれは政治的に困難であるので、例えばフィリピンに再び基地を持つとか、10万人のプレゼンスを増強する等、中国が台湾に武力侵攻するのは許さないとのシグナルを送る必要があると思うがどうか。
 また、沖縄には基地問題のみならず、日中・日台間にも尖閣列島他の領土問題がある。これは沖縄が返還される前から米が黙認しており、沖縄が返還された時に解決されなかった問題である。サミットを機会に日米両国の当事者がこれを再認識し意思を確認してしておかないと、単なる政治的な基地移転縮小とのパフォーマンスだけでは将来紛争の際に問題が生じると思うがどうか。

(ホール氏)難しい問題である。尖閣諸島問題、台湾問題などの国境問題は機微である。良い回答はない。戦略的な変更をする前に、これらの環境をレビューする必要がある。第七艦隊の目的は地域の安定の維持であるが、それが台湾海峡の安定を十分に保てるかは今後検討しなければならない。

(10)(意見)過去に幾度かこのような場で安保問題につき話したが、米側の問題点を指摘する傾向があった。即ち、日本は安保問題について、日本自身が米国に対する被害者意識を持っていることから、そうした観点を議論する傾向があった。しかし、本当に我々が必要なのは、自分自身の安全である。米国のサポートが減じた時に、どう対応するか考える必要がある。ハードウェアがあるがソフトがないというちぐはぐな状態へ対応しなければならない。リソースの活用ということであれば、今ある自衛隊などの運用を議論した上で、米の基地の必要性を議論できるのではないか。まずは日本自身がやらなければならないソフトの議論は避けて通れない。

(11)(質問)自分はマスコミの社会部におり、広い意味で沖縄を見たことはないが、基地問題を抱えている多くの人を取材した。基地をなくすのにはなかなか時間がかかるものであり、どうすれば基地をなくせるかは難しい。従って、どうすれば共存できるかを考える必要がある。沖縄の人々が基地と共存するために、日本政府が何からできると思うか。

(ホール氏)本件には多くのイシューがからまっている。根本的な問題は、日本がどのような役割を世界で果たすべきかということである。今面白い仕事をしていると思うのは、米国にとって、パートナーとともに、どのような役割をそれぞれが分担して果たすべきか議論できることである。在京米大が日本で行った世論調査では面白い結果が出た。70%の日本人は継続的な日米安保関係を望んでいる。これは過去にない水準である。同時に、基地周辺に住む人々など、摩擦は以前にないほどセンシティヴなものとなっている。従って、これは矛盾している状況だが、今後の課題は、この2つの国が、安保体制が一般的に支持される中で、多少迷惑があり得るということをいかに一般的に伝えるかということである。同時に弊害を縮小することも考える必要がある。
 クリントン大統領沖縄訪問時の活動について、今後外務省と詰めて行かなければならないが、広く見て2つの目的がある。G8枠外について言えば、一つ目は、沖縄の米軍基地が、何をやっているか、米国人、日本人に理解してもらうことである。ニつ目は、クリントン大統領に、普通の人々と話してもらうことである。政治家、官僚でなく、直接に生活している人々に対して話し、同時に問題が大きいことを理解していることを話すことである。最高府の人が謝罪をする必要はないが、この負担を理解することを伝えることである。もし7月24日に、新聞を見て、その2つのメッセージを見た際には、これは成功したと考えていただきたい。

(鈴木氏)日本自身が自衛隊の役割を考えなければならないのはご指摘のとおりである。しかし、自衛隊がその役割をさらに拡大することになれば、それがアジアの他国に如何なる影響を与えるか等、総合的な影響を考えなければならない。他方で、日本の軍事大国化との言われなき批判に対しては、然るべく反論していく必要がある。
 また、基地との共存についても、SACOの報告書に基づき、夜間離発着訓練を、市街地でなく離島でやる等、近隣住民の実生活上の負担を減らす措置もとられている。また、「良き隣人」ということも大事な言葉だと思う。外務省予算で、米軍関係者に対して、日本社会の制度についての知識や実生活上のアドバイスを与えるようなセミナーを開催するといった努力もしている。米国軍人と近隣住民の間の相互理解が進むことは重要である。
Posted by gyosei-kanji
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